- 福利厚生って、種類が多くて何を選んだらいいかわからない。
- 一般的にあった方が良い福利厚生だけ教えて欲しい。
- 転職したらブラック企業だったという事は避けたい。
転職する時に福利厚生を気にしたほうが良いっていうのは聞くんだけど、何を確認すればいいかわからないという人いますよね。
給料の数値ばかり気にしていると、意外と損をしてしまう場合があります。
代表的な福利厚生くらいは知っておかないと、「え?住宅手当ないじゃん…」とか入職したらブラック企業だったなんてことにもなりかねません。
かくいう私も福利厚生を意識せずに就職先を選んでいましたが、大病院の福利厚生と妻のクリニックなどでは手当などの差が大きい事に気がつきました。
例えばですが、子供がいる場合には院内保育所の有無などは超重要になります。
福利厚生の重要性に気づいたので、書籍などを用いて学んだ情報をお伝えしていきます。
この記事では、看護師が知っておくべき福利厚生を優先順位を考えたランキング形式で紹介します。
転職する時に福利厚生も確認することで、給料以上に得をしたりブラック企業を回避する事ができます。
選び方も解説しますので、自分自身の状況に合った福利厚生を知っていって下さい。
福利厚生とは給料以外の報酬
福利厚生とは「給料以外の報酬」です。
病院・企業が、職員やその家族が幸せに暮らせるように提供しているサービスです。
病院・企業からすると、一生懸命働いてもらったり、離職率を下げて長く働いてもらう為に手当や環境を整えています。
良く言えば、『福利厚生が充実している≒人を大切にしている企業』とも言えます。
福利厚生は2種類ある
福利厚生は「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」に分けられます。
大切なのは、法定“外”福利厚生です。
「法定福利厚生」は法律で義務化されている
「法定福利厚生」は、法律によって義務づけられている福利厚生です。
病院・企業が費用を負担して社員に提供しなければいけないと法律で定められています。
法定福利厚生には以下のような種類があります。
- 健康保険
- 介護保険
- 厚生年金保険
- 雇用保険
- 労災保険
- 子ども・子育て拠出金 など
法定福利厚生は必ず存在する福利厚生です。無いと法律違反になってしまいます。
ということは、法定福利厚生をアピールしている職場はヤバいから気をつけて下さい。
就職者側が福利厚生の事を知らないと思って提示している可能性があります。
そういう考えの職場はブラック企業の可能性”大”です。
「法定外福利厚生」は病院・企業独自のサービス
「法定外福利厚生」は、病院・企業が法律の範囲外で追加しているサービス内容です。
なので、この法定外福利厚生が充実している職場は職員の事を考えてくれています。
法定外福利厚生は、病院・企業が自由に決められます。なので、職場によって内容が変わってきます。
良く導入される法定外福利厚生もありますし、すごいユニークなものまで数多くあります。
法定外福利厚生の種類・内容については後述していきます。
法定外福利厚生が充実してると離職率・残業時間が減る
人を大切にする企業・法定外福利厚生制度の充実した企業の離職率・所定外労働時間(残業)は少ないです。
下図のデータを確認して下さい。
法定外福利厚生の充実した企業 | 一般の企業 | |
---|---|---|
離職率(年間平均) | 1.5% | 10%前後 |
所定外労働時間[残業](月の平均) | 10.7時間 | 15時間前後 |
※データは下記の書籍が調査した内容を記載
出典:「いい会社には、活きた社内制度がある。: 人を大切にする56社の法定外福利厚生」 坂本光司 (著) 同友館 (2023/4/6)
法定外福利厚生の充実した企業は、離職率・残業時間が明らかに少ないです。
このデータは、看護師限定の統計ではなくて色々な企業の統計です。
しかし、『人を大切にする企業・法定外福利厚生制度の充実した企業』のほうが離職率や残業が少ないホワイト企業ということは当たり前だと思います。
このような結果からわかるように、転職活動をする上では法定外福利厚生を確認しておくことでブラック企業を回避して、ホワイト企業に入職できる可能性が上がります。
看護師におすすめの法定外福利厚生ランキング
看護師が就職・転職する上で重視すべき法定外福利厚生をランキング形式でまとめました。
正直、働く人の状況によって重要視するべき福利厚生は違います。
ですが、なにを重要視するべきか全くわからない人は困ってしまうと思います。
なので、私の独断でランキング付けをして紹介させていただきます。
『看護師の立場からあると喜ばれる法定外福利厚生』・『一般的な病院・企業で導入されている事が多い法定外福利厚生』を基準として選びました。
一般的に導入されている法定外福利厚生が導入されていないとなると、ブラック企業の可能性が出てくるのでランキングの評価基準とさせていただいています。
※法定外福利厚生の導入率については下記の書籍を参考にさせていただいています。
出典:「いい会社には、活きた社内制度がある。: 人を大切にする56社の法定外福利厚生」 坂本光司 (著) 同友館 (2023/4/6)
ランキング付けはさせていただいていますが、私の個人的見解で評価していますので、自分自身で大切だと思う福利厚生をチェックしてください。
選び方も一緒記載させてもらっています。
1位:慶弔(祝金・見舞金)
慶弔とは、「結婚など喜ばしい事と葬儀などのとむらい事」のことです。
- 結婚祝い金
- 出産祝い金
- 傷病見舞金
- 災害見舞金
この慶弔祝金・見舞金に関しては、結構の数の企業で導入されています。特に結婚祝い金・出産祝い金の支給は導入している企業多いです。
こういうライフイベントは企業からしたら、お金を払うタイミングが多いので企業側からしたら負担が大きいと思います。
それでも、職員がライフイベントでお金かかる時に支援してくれるというのはありがたいですね。
慶弔(祝金・見舞金)は、全ての人にあったほうが良い福利厚生です。
結婚・出産を予定している人には特にオススメです。
こういう福利厚生があるということは、育休後の職員の対応も気にかけてくれている可能性が高いです。
慶弔は導入している場所が多いので、無い企業は少し不安です。
2位:長期勤続記念品・慰労金の支給
長期(永年)勤続記念品・慰労金の支給は、長く勤めた人にお金や物をプレゼントしてくれるといった福利厚生です。
10年・20年・30年とかの節目で、5万円相当の旅行券などを贈呈している場所があります。
長期(永年)勤続記念品・慰労金の支給は、全ての人にあったほうが良い福利厚生です。
正直長く働くかどうかは個人の自由なので、どっちでもいいと思います。
しかし、この長期(永年)勤続記念品・慰労金の支給は多くの企業が導入しています。
病院・企業側から長く働いてもらいたいという意思を感じるので、労働条件・労働内容もブラックにならないように気にかけている可能性が高いです。
3位:住宅手当・社宅(寮)
住宅手当とは、賃貸物件の家賃・持ち家の住宅ローンの一部を企業が負担してくれます。
病院・企業に、社宅(寮)がある場合にはそこに入ることができます。社宅(寮)は、職員のためのものなので、普通はかなり安い設定にされています。
住宅手当は、実家暮らし以外の人にはオススメです。賃貸物件のみ支給されるか、持ち家の住宅ローンまで支給されるかは確認が必要です。
社宅(寮)は、一人暮らし向けが多いと思います。都内に勤務したい人は家賃がめっちゃ高いので、寮はオススメです。
4位:院内保育園
院内保育園とは、病院内や職場の近隣に設けられた保育施設です。一般的に近隣の保育園より料金が安く設定されています。
看護師は女性が多いので、出産後も働きやすいように院内保育園が導入されている場合があります。
夜勤や変則勤務にも対応できるように、24時間・365日あずけられる職場もあります。
院内保育園は、仕事と育児を両立したいと思っている人にオススメです。
人によっては、この院内保育園の福利厚生を目的に就職する人もいると思います。
5位:キャリアアップ支援
キャリアアップ支援とは、認定看護師や専門看護師になりたい人の資格取得支援・大学院で学びたい人の進学支援・学会や勉強会での費用など学びの為の支援です。
キャリアアップにはお金と時間がかかります。
病院・企業側から、お金の面での支援や、長期的に休んだり時短勤務対応など労働条件の対応をしてもらう必要があります。
これから転職する人で、キャリアアップを目指している人は支援の体制が整っているか確認しましょう。
認定・専門・診療看護師は病院のホームページで紹介されていることもあるので、そういう先駆者がすでにいる病院だったら支援してもらえる可能性が高いです。
ただし、病院に長期的に勤務して貢献しないと支援をもらうのは難しいです。
6位:資格手当の支給
資格手当というものがあります。資格を持っていると給料が上がります。
認定看護師・専門看護師・診療看護師などにキャリアアップを考えている人は重要です。
資格手当がつく職場とつかない職場があります。
特に診療看護師になりたい人は、医局に在籍できると給料かなり上がるらしいのでよく考えたほうがよさそうです。
看護師免許を資格手当みたいな感じで求人だしている所もありますが、看護師の求人は来る人が全員看護師なので気にしないほうがいいです。むしろ、「基本給上げたくないから資格手当にしてるんじゃね?」と思ってしまいます。
基本給を上げると、「基本給×○ヶ月分」といった形でボーナスが支払われるケースが多いので企業側からすると人件費が高くなります。
7位:団体保険
団体保険は、規模の大きい病院・企業で導入している場合があります。
団体生命保険や団体積立年金・団体自動車保険などがあります。
団体自動車保険は使ったことありますが、普通に自動車保険入るより得でした。
看護師向け法定外福利厚生の種類一覧
法定外福利厚生は病院や企業が自由に決められます。その病院独自のものがあったりと、すごい数の法定外福利厚生があるので具体的に全てを把握するのは不可能です。
法定外福利厚生の種類一覧を、『書籍+インターネットの情報+病院や企業のホームページなど』で調べましたので看護師が役立ちそうなものを記載しておきます。
看護師向け法定外福利厚生の種類一覧
- 慶弔(祝金・見舞金)
- 長期勤続記念品・慰労金の支給
- 住宅手当・社宅(寮)
- 院内保育園
- キャリアアップ支援
- 資格手当の支給
- 団体保険
- 交通費補助
- 社員食堂
- 健康診断・インフルエンザ予防接種の負担
- 社員旅行
- 保養所利用
- スポーツクラブ割引
- 時間有給休暇制度
- 休職手当の満額支給
- 遺児手当の支給
- ベビーシッターサービス
- 法定以上の介護休暇制度
- 親孝行手当の支給 など
看護師の「福利厚生」の調べ方
求人票みたことある人はわかると思いますが、福利厚生の情報は少なくて集めるのが難しいです。
なので、いくつかの考えられる方法を紹介します。
- 求人情報を調べる
- 病院・企業のホームページを調べる
- 実際に働いている人に聞く
- その職場で働いた事のある人に聞く
- 転職サイト(エージェント)に聞く
- 看護師向けの合同就職説明会に参加して聞く
- 求人情報を調べる
ある程度は求人情報に記載してあります。
特に『住宅手当・社宅(寮)や院内保育園』みたいなアピールできる内容は表記されていることが多いです。 - 病院・企業のホームページを調べる
病院・企業のホームページにも、福利厚生が記載されていることが多いです。 - 実際に働いている人に聞く
知り合いに働いている人がいれば、その人に聞くのが手っ取り早いです。 - その職場で働いた事のある人に聞く
現役で働いている人よりは情報が少ないと思いますが、重要な福利厚生は知っていると思います。 - 転職サイト(エージェント)に聞く
転職サイトに相談すると、病院・企業の福利厚生について教えてもらえる事があります。
転職サイトは、企業とのパイプを持っているので、最新の福利厚生情報も知れる事があります。 - 看護師向けの合同就職説明会に参加して聞く
インターネットで看護師向け合同就職説明会(病院合同就職説明会)を調べると結構やっていたりします。
参加ができるようでしたら、病院・企業の職員に直接聞くのもありです。
まとめ|福利厚生を確認して転職を成功させる
福利厚生が充実している職場は離職率・残業時間が少なくホワイト企業の可能性が高いです。
転職する時は、自分自身の状況に合った福利厚生を把握しておきましょう。
給料以上に得をしたりブラック企業を回避する事ができます。
転職に失敗したく無い人は福利厚生も確認すると、転職の成功率が上がります。
転職を検討している人に向けて、転職先の選び方の記事を載せておきますので参考にしてください。