- 看護師から次に進む道を悩んでいる。
- やりがいを持って働きたい。
- お金がもっと欲しい。
看護師のキャリアアップを目指しているけど、進むべき道がわからないと悩んでいませんか。
せっかく看護師として働いているんだから、経験を活かしてキャリアップしたいですよね。
私が高度救命救急センター病院に転職した時は、将来ドクターヘリに乗りたいと思っていました。
そのためにスペシャリストになろうと思い、認定看護師や専門看護師になろうかなって色々考えていた時期も長かったです。
気づいたら、人に教えるのが楽しくなってYouTubeを中心とした情報発信者になっていますが、10年間看護師をしている中でキャリアについてはかなり考えたので参考になる内容をお伝えできると思います。
『やりがい(カッコイイ)』・『収入アップ』・『夜勤辞めても給料が良い状態を作りたい』という欲望満載の基準で考えています。
自分自身のキャリアを考える上で、様々な進むべき道があります。是非この記事を参考にしてください。
看護師のキャリアアップは何がある?
大まかに分けると、『スペシャリスト』・『ジェネラリスト』・『プラスの資格を取る』・『看護師の経験を活かして一般企業に勤める』・『起業』の5つになります。
スペシャリスト・ジェネラリストは、さらに『看護管理者』や『教育者・研究者』に進む人もいます。
キャリアアップの話をしていきますが、BLSプロバイダーとか呼吸療法認定士みたいな数日の講習で所得できるような細かい資格の話はしません。
もっと、人生を左右するような大きな括りで話をさせていただきます。
スペシャリスト|特定の分野を極めている看護師
スペシャリストとは、特定の分野を専門として極めているプロフェッショナルの事です。
看護師のキャリアアップで一番王道なキャリアです。
スペシャリストの資格一覧
- 認定看護師(CN)
- 専門看護師(CNS)
- 特定看護師(特定行為に係わる看護師)
- 診療看護師(NP)
スペシャリストが病院内にいると、ケアの質の向上・看護師教育の質が向上したりとメリットが大きいです。
病院のホームページでも「認定看護師○名・専門看護師○名在籍」といった具合に、アピールされるような要素なので、資格取得に関して病院で支援をしてくれる可能性が高いです。
資格という目に見えてわかるキャリアアップなので給料が上がったり、将来的には役職も上がりやすいです。
給料アップに関しては、病院によって手当がつく場所とつかない場所があります(認定看護師で手当がついても3000円〜1万円程度)。
スペシャリストは、セミナー・勉強会・執筆などの依頼を受けて収入が増える人もいます。
報酬は個人差がありますが、セミナーが1時間で1〜3万円・商業雑誌が1ページあたり5,000〜1万円程度です。
認定看護師
認定看護師は、認定看護分野ごとの専門性を発揮しながら3つの役割「実践・指導・相談」を果たして、看護の質の向上に努めている人達です。
認定看護師になるためには、臨床経験5年以上・600時間以上の研修を受けた後に認定審査を合格する必要があります。
認定看護分野・認定看護師資格取得の方法など、詳細は日本看護協会の公式情報を確認してください。
キャリアアップした上で夜勤辞めたいなら、「皮膚・排泄」とかは褥瘡回診とかの業務で全部の病棟にラウンドしたりするので日勤のみの勤務になりやすいです。
「感染管理」も全病棟をラウンドしてチェックしたりするので、日勤のみの勤務になりやすいです。
病棟に所属しない系の認定資格なら、夜勤辞めた上で給料アップも狙えます。
専門看護師
専門看護師は、問題を総合的に捉えて判断する力と広い視野で専門看護分野の専門性を発揮しながら6つの役割「実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究」を果たして、施設全体や地域の看護の質の向上に努めている人達です。
専門看護師になるためには、臨床経験5年以上・看護系の大学院で修士課程を修了(最低2年)した後に認定審査を合格する必要があります。
専門看護分野・専門看護師資格取得の方法など、詳細は日本看護協会の公式情報を確認してください。
認定看護師と専門看護師の違い
専門看護師と認定看護師の違いが気になる人もいると思いますが、ざっくりいうと認定看護師が細かく特化している実践者って感じで、専門看護師は総合的に広い視野で活動しているイメージです。
専門看護師のが取得難易度が高いです。
特定看護師(特定行為に係わる看護師)
特定看護師は、正確には資格の名前ではなく「特定行為に係る看護師の研修制度」を受けた看護師のことです。
細かいルールはありますが、一部の診療行為が行えます(気管カニューレの交換・創部ドレーンの抜去など)。
研修制度なので、「特定行為に係る看護師の研修制度」のみ受ける人もいますが、認定看護師や専門看護師が研修を受けている場合もあります。
診療看護師
診療看護師は、一定の範囲で診療行為を行える看護師です。
特定看護師と似ていますが、診療看護師は特定行為をほとんど全て行えます。
さらに、医師の直接指示による相対的医行為も実践できるので、手術助手や麻酔導入補助なども行えるそうです。
診療看護師になるためには、臨床経験5年以上・大学院の診療看護師養成課程(修士)を修了した後に認定試験を合格する必要があります。
資格の特性上、看護部ではなく医局に在籍することもあるようです。
医局に在籍できると給料はかなり上がると聞いたことがあります。
診療看護師が在籍していると医師の負担が減るので、スペシャリストの中でも診療看護師は給料アップがとても期待できます。
ジェネラリスト|広い分野で活躍する看護師
ジェネラリストとは、色々な部署を経験して広い範囲の知識や技術・経験をもつ人の事です。
色々な事が幅広くできるので、患者さんからの信頼は高くなりやすいです。
「感謝される」といった事も多く、やりがいを感じられると思います。
特別な資格があるわけではないですが、さまざまな経験を積んでいるので看護管理者(看護師長など)に昇給する人もいます。
プラスの資格|看護師の働き方を変える
看護師免許を持った上で取得できる資格があります。
プラスの資格一覧
- 保健師
- 助産師
- 養護教諭
- ケアマネジャー(介護専門支援員)
これらの資格は、給料面というより働き方を変えるという目的のが大きいと思います。
一般的な病院での看護業務と働き方が変わってきます。
保健師
保健師として働くためには、『看護師免許+保健師免許』が必要です。
4年制の大学・専門学校を卒業している人は看護師と一緒に保健師の国家試験を受けている人もいます。
看護師免許のみで働いていた人は、保健師養成学校(1年制)に通う事で保健師国家試験の受験資格を得られます。
保健師は、行政(保健所や保健センターなど)や企業(産業保健師)などで働く事ができます。
割合としては行政で公務員として働く人が多いそうです。
保健師の仕事内容は、健康相談や保健指導・健康管理などになります。
助産師
助産師として働くためには、『看護師免許+助産師免許』が必要です。
4年制の大学・専門学校を卒業している人は看護師と一緒に助産師の国家試験を受けている人もいます。
看護師免許のみで働いていた人は、助産師養成学校(1年制)に通う事で助産師国家試験の受験資格を得られます。
助産師は、病院や診療所・助産所などで働く事ができます。
助産師は、女性の妊娠・出産をサポートする仕事です。
助産師は女性しかなることができません。
養護教諭
養護教諭とは、小・中・高校に在籍している『保健室の先生』のことです。
子供の健康相談や救急処置などをします。
養護教諭として働くためには、『看護師免許+養護教諭免許状』が必要です。
養護教諭免許状は、一種免許状・二種免許状・専修免許状の三種類があります。
看護師資格のみ人は、文部科学大臣が指定する養護教諭養成施設に1年以上在籍して単位を修得することで、養護教諭一種免許状の取得ができます(保健師資格も持つ場合は在籍期間が半年以上で取得可能)。
養護教諭免許状を取得後に、教員採用試験にも合格する必要があります。
ケアマネジャー(介護専門支援員)
ケアマネジャー(介護専門支援員)は、要支援・要介護者への介護保険サービスを提案・調整などをする仕事です。
ケアマネジャーになるためには、看護師経験5年以上・介護支援専門員実務研修受講試験に合格した後に、87時間の研修を受ける必要があります。
ケアマネジャーは、介護福祉士など他の職種からもなれたりするので、単純な看護師の上位資格という感じではないです。
なので、収入が上がるというのは少し難しいですが、働き方を変えたいというのであればケアマネジャーという選択肢もあります。
看護管理者|チームをマネジメントする看護師
看護管理者といえば、看護部長・看護師長・看護主任などになります。
スペシャリスト・ジェネラリスト両方とも看護管理者になる人もいます。
看護管理者になれば役職手当が付くので、給料アップが目指せます。
難易度は高いですが、大きい病院の看護部長クラスになってくれば年収1,000万円を超える場所もあります。
看護管理者になるのに資格が必須ではありませんが、認定看護管理者(CNA)という資格があると優遇されます。
認定看護管理者は、管理者として優れており組織を発展させることができる能力があると認められる資格です。
認定看護管理者になるためには、臨床経験5年以上(3年以上は看護師長以上の経験)・456時間の研修(または大学院で看護管理の修士課程を修了)を受けた後に認定審査を合格する必要があります。
認定看護管理者の資格取得の方法など、詳細は日本看護協会の公式情報を確認してください。
教育者・研究者|看護の発展を支える看護師
看護学校の教員をやったり、大学で研究したり論文を書いて教授を目指すなんて道もあります。
難易度は高いですが、大学教授になれば年収1,000万円も見えてきます(大学教授の平均年収は約1,100万円)。
スペシャリスト・ジェネラリスト両方とも教育者・研究者になる人もいます。
専門学校の教員では、「看護師経験5年+看護教員として必要な1年程度の研修や講習の受講」または「専門領域の経験3年+大学の教育に関する科目を履修して卒業したもの」が必要です。
看護師の経験を活かして一般企業
看護師経験を活かして一般企業に就職するといった方法もあります。
看護師経験が優遇されやすい仕事を一部紹介します。
治験コーディネーター・臨床開発モニター
主に新しい薬の治験に携わる仕事です。
治験コーディネーターは、医療機関で医師・看護師・患者と関わりながら治験をしていきます。医師・看護師・患者へ治験の説明をしたり、実施状況を確認します。
病院に所属する場合と、治験を支援する会社に所属する場合があります。
臨床開発モニターは、治験の進行をサポートする仕事です。症例データの収集や進歩情報の管理などを行います。
就職のライバルが薬剤師やMR(医療情報担当者)などになるため、就職の難易度は高いです。
企業の看護師(産業看護師)
民間企業に所属し、企業で働く労働者の健康管理を行います。保健指導の個人面談や外傷の対応などを行います。
看護師免許だけでなく、保健師の免許が必要な場合もあります。
人気もあり求人の倍率が高いため、保健師資格をもっていたり臨床経験が3〜5年あるほうが就職できる可能性が高いです。
起業
自分で事業を起こす事を起業と言います。
看護師が起業する代表的なものは、『訪問看護ステーションの開業』が多いと思います。
助産師は、『助産所の開業』もあります。
上記は王道ですが、アイデア次第で事業は無限にあります。
副業(スキル上がる系)
これをキャリアアップと言っていいのかは微妙ですが、収入アップを目的とするなら副業は優秀です。
看護師が行う人も多い、単発バイトなど2箇所で働くみたいな方法はここでは紹介しません。
スキルが上がる事で、将来の自分自身の時給単価が上がる可能性があるもののみ選別します。
収入に不満がない人は手間がかなり増えるので、万人にオススメはしません。お金を稼ぎたい人や、変わった事するのが楽しそうって人向けです。
看護師経験を活かして稼げる副業
- Webライター
- イラストレーター
- コンサルタント
- 動画編集者
- YouTube配信
- ブログ
- SNSで有名になる
①〜④までは、早めに収益が発生するタイプの副業です。
⑤〜⑦は、収益が発生するまでに時間がかかる副業です。
必ず看護師経験を活かさなければいけないわけではないので、他の副業も一応紹介しておきます。
- せどり
- ハンドメイド
- ウェブデザイン
- プログラミング
副業はたくさんありますが、今回は費用面でのリスクが低く・将来収入が上がりやすいものを紹介しました。
副業に興味がある人は試してみて下さい。
まとめ|自分自信に合わせたキャリア設計をする
看護師のキャリアアップ
- スペシャリスト
- 認定看護師(CN)
- 専門看護師(CNS)
- 特定看護師(特定行為に係わる看護師)
- 診療看護師(NP)
- ジェネラリスト
- プラスの資格を取る
- 保健師
- 助産師
- 養護教諭
- ケアマネジャー(介護専門支援員)
- 看護管理者
- 認定看護管理者(CNA)
- 教育者・研究者
- 看護専門学校の教員
- 看護系大学教員
- 看護師の経験を活かして一般企業に勤める
- 治験コーディネーター
- 臨床開発モニター
- 企業の看護師(産業看護師) など
- 起業
- 訪問看護ステーションの開業
- 助産所の開業 など
- 副業(スキル上がる系)
- Webライター など
看護師のキャリアアップは結構たくさんあったんじゃないでしょうか。
今回紹介した内容が代表的ですが、自分なりの他の道を探して進む人もいます。
キャリアアップを目指す上で『やりがい(カッコイイ)』・『収入アップ』・『夜勤辞めても給料が良い状態を作りたい』など、自分自身が何を優先するかよく検討してみてください。
キャリアを上げるだけが全てではありません、ライフイベントやプライベートを優先したキャリア設計で幸せになっている人だっています。自分自身の状況や性格と合わせて考えてみて下さい。
キャリアアップしたいけど今の職場では難しいという人は、転職を考える必要があります。
転職を失敗しないように、転職先の選び方の記事を下記に載せておきますので参考にしてください。