- 訪問看護への就職を検討している。
- 訪問看護の勤務が自分と合いそうか知りたい。
- 転職の参考に他の職場と比較したい。
転職活動の参考に訪問看護ステーションの仕事内容やメリット・デメリットなど知っておきたいですよね。
事前にどういう働き方か知る事ができれば、転職を失敗する可能性が減ります。
私の友人Y.M.が現役の訪問看護師なので、インタビューの時間をいただき実際の経験も踏まえて詳しく教えていただきました。
私が集めた情報や友人の経験談をもとに記事を書かせていただきます。
この記事では、訪問看護の仕事内容や働き方など転職を検討する上で必要な情報が全て手に入るようにしてあります。
そして、訪問看護で働くという事が自分に向いているか知る事ができます。
訪問看護で働くのは、プライベート・給料・やりがいがバランス良く欲しい人に向いています。
メリット | デメリット |
---|---|
日勤のみ+土日祝日休み+長期休暇ありで働ける 夜勤がなくても給料が高い 訪問の間の時間で自由に過ごせる時間がある 一人で過ごせる時間が多い 室外の空気を吸える 生活に寄り添った看護ができる 地域の社会資源などのサービスに詳しくなる 将来訪問看護ステーションを作りたい人は経験値を積める | 一人で判断しなければいけない場面が多い 汚い家に入らないといけない時もある 利用者・家族との関わりが難しい 他職種との関わりが難しい 新しい医療知識がつきにくい 地域によっては運転免許書が必要 |
訪問看護ステーションで働く看護師の仕事内容
訪問看護は、車や自転車で利用者の自宅に訪問して看護をする仕事です。
利用者の健康管理や生活介助・医療処置がメインの仕事内容です。
訪問看護ステーションでの主な仕事内容
- 利用者の状態観察
- バイタルサイン測定・問診など
- 利用者の生活介助
- 清潔ケア《清拭・陰部洗浄・洗髪・手浴・足浴・爪切り・口腔ケアなど》
- 排泄ケア《おむつ交換・浣腸・摘便など》
- 食事の準備
- 創傷処置
- 褥瘡・怪我など
- 服薬管理
- 血糖測定・インスリン
- 管理状況確認
- 経腸栄養管理
- 吸引
- 膀胱留置カテーテル管理・交換
- 在宅酸素療法の管理
- 在宅人工呼吸器の管理
- 気管切開・マスク
- ストーマ(人工肛門)管理
- 点滴・注射・CVポートの管理
- ※件数は少ない
- 療養環境の整備
- 利用者の家なので確認しながら行う
- 散歩
- 気分転換活動・家族の負担軽減目的
- リハビリ
- 理学療法士指導のもと間接可動域訓練・拘縮予防などを行う
- ターミナルケア・看取り・エンゼルケア
- 家族の生活相談
- 家族の介護負担の状況・仕事の都合を確認する
- 家族への指導
- 日常生活援助の方法・創傷処置・服薬方法の指導など
- 緊急時の救急要請
- 主治医への連絡や救急車依頼などの判断をする
- 他の利用者へのサービス提供者と連絡や情報共有
- ホームヘルパー・主治医・デイサービスなど連携を図る
- サービス担当者会議
- 利用者・家族・ケアマネジャー・訪問看護師・ホームヘルパー・薬剤師・理学療法士などとチームでケアを見直す会議
訪問看護ステーションで働く看護師の1日の流れ
訪問看護師の1日の流れの一例は、以下になります。
訪問先の情報収集をします。
ぶっちゃけ少し前残業している場所もあります。
訪問看護のスタッフ間で、夜間の緊急訪問の情報共有や訪問先の相談・訪問時間のスケジュール調整をします。
休憩時間は訪問看護ステーションに戻っても良いし、ランチをしたり自宅に帰る人もいます。
3〜4件訪問します。業務内容は基本的に午前の訪問と同じになります。
訪問看護のスタッフ間で利用者の情報共有・ケア内容の相談をします。
ケアマネジャーや主治医の病院・ホームヘルパーなどに必要な情報があったら連絡します。
訪問がない時は、『看護計画の見直し』や『ケアの相談をケアマネジャーなどへ連絡』したりもします。
訪問看護ステーションで働く看護師の休日・勤務形態
日勤のみの勤務です。ほとんどの場所でオンコール(自宅で電話待機して、利用者から連絡があれば電話相談・緊急訪問をする)があります。
オンコールについては24時間対応している所も多いので、休日だけではなく夜間もあります。
オンコールの回数は施設の人数などでも異なりますが、参考までに私の友人は週1〜2回程度です。
《1日オンコール対応の一例(友人Y.M.の働いている訪問看護ステーション)》
1日のオンコールで、電話相談は1〜2件程度。緊急訪問回数は0件がほとんどだが、多くて2件程度あります。
週休2日制で、土曜日・日曜日・祝日休みが多いです。
ゴールデンウィーク・お盆・年末年始などの長期休暇は基本休みですが、訪問が必要な場合はスタッフで交代しながら訪問する時もあります。
残業は少ないです。
職場次第ですが、勉強会(市町村で行なっている地域医療の勉強会・介護用品の勉強会など)が年に1〜2回ある職場もあります(多い所では月1回の職場もある)。
訪問看護ステーションで働く看護師の給料の目安
訪問看護ステーションで働く看護師の給料の目安は、年収でおよそ450万円です。
訪問看護ステーションのパート勤務では、時給1,800円程度が多いです。
オンコール待機で1回2,500円程度。緊急訪問1回ごとに+5,000円程度の収入が貰えます。
病院の夜勤なしよりは給料が高い印象があります。
訪問看護は一人で判断しなければいけない事が多かったり、臨床経験が少ないと難しい事もあるので給料が高いのかもしれません。
訪問時間が多い月には上乗せで給料をくれる、インセンティブ制度を導入している場合もあります。
《インセンティブ制度の一例(友人Y.M.の働いている訪問看護ステーション)》
月70時間の訪問を超えたら、1時間ごとに+2,000円の収入。
月100時間の訪問を超えたら、さらに+3万円の収入。
インセンティブ制度を導入している所では、個人の労働量を選べる場合もあり、ガツガツ働く人だと年収500〜600万円くらい稼ぐ人もいるそうです。
《友人Y.M.の月の給料の一例(看護師12年目・現職場2年目:正社員)》
月の出勤日数21日・残業時間8時間半(忙しかった月)。
基本給26万円・調整手当3万円・通勤手当3,000円→総支給31万円。
手取り26〜27万円。
訪問看護ステーションで働く看護師の8つのメリット
訪問看護ステーションで働くことで、以下のメリットがあります。
- 日勤のみ+土日祝日休み+長期休暇ありで働ける
- 夜勤がなくても給料が高い
- 訪問の間の時間で自由に過ごせる時間がある
- 一人で過ごせる時間が多い
- 室外の空気を吸える
- 生活に寄り添った看護ができる
- 地域の社会資源などのサービスに詳しくなる
- 将来訪問看護ステーションを作りたい人は経験値を積める
- 日勤のみ+土日祝日休み+長期休暇ありで働ける
土日・祝日休みが多いのでプライベートの予定が組みやすいです。
長期休みを利用して旅行にも行きやすいです。 - 夜勤がなくても給料が高い
看護師が働く職場の中で、訪問看護は『夜勤なし』では給料が高めの職場になります。
訪問看護は一人で判断しなければいけない事が多かったり、臨床経験が少ないと難しい事もあるので給料が高いのかもしれません。 - 訪問の間の時間で自由に過ごせる時間がある
訪問と訪問の間に多少の自由があります。
昼休憩にランチをしたり、一時的に自宅に帰る事ができる職場もあります。 - 一人で過ごせる時間が多い
一般的な看護師の仕事は、病院や介護施設などチームで行う業務が多いですが、訪問看護では一人で行う業務がほとんどです。
一人で行動をしたい人には向いています。
病棟などで働いていた人で、人間関係のいざこざや派閥みたいなのがめんどくさい人は特にメリットになります。 - 室外の空気を吸える
看護師の勤務先は室内にこもって仕事をすることが多いです。
閉鎖空間が苦手な人には訪問看護は向いています。 - 生活に寄り添った看護ができる
利用者の生活全体を通して関わるので、寄り添った看護ができます。
一人一人と長い期間を通して関わる事が多いので、関わりも深くなります。
看護の内容に自分の考えや思いをケアに反映させやすいです。
また、臨床経験も活かしやすいです。 - 地域の社会資源などのサービスに詳しくなる
利用者一人一人、生活に合わせた社会資源を活用しているため、介護支援専門員(ケアマネジャー)など多職種との連携が多くなります。
そのおかげで、地域の社会資源などのサービスに詳しくなっていきます。
自分の家族や将来に役立つ知識です。 - 将来訪問看護ステーションを作りたい人は経験値を積める
看護師の起業として、将来訪問看護ステーションを作りたい人もいると思います。
その場合には、経験を積んでおくのは良い選択だと思います。
訪問看護ステーションで働く看護師の6つのデメリット
訪問看護ステーションで働くことで、以下のデメリットがあります。
- 一人で判断しなければいけない場面が多い
- 汚い家に入らないといけない時もある
- 利用者・家族との関わりが難しい
- 他職種との関わりが難しい
- 新しい医療知識がつきにくい
- 地域によっては運転免許書が必要
- 一人で判断しなければいけない場面が多い
訪問看護は基本的には利用者の家に一人で訪問します。
利用者一人一人との関わりも深く、自分で判断しなければいけないことも多いので責任の重さを感じます。 - 汚い家に入らないといけない時もある
利用者の家がキレイではない場合もあります。
犬・猫など動物がいる時もあります。アレルギーがある人は、上司に伝えて訪問先を調整してもらう必要があります。 - 利用者・家族との関わりが難しい
利用者一人一人生きてきた背景が違います。元社長さんであったり、社会と馴染めなかった人であったりとさまざまな人がいます。
生活の中に入っていく仕事なので、そういう人たちの配慮の無い発言なども飛んでくることがあります。接遇やコミュニケーションが難しいです。
また、ネグレクトに近いような利用者に対する家族の対応が悪いような現場を見てしまう事だってあります。 - 他職種との関わりが難しい
利用者や家族だけでなく、ケアマネジャー・ホームヘルパー・主治医・デイサービスなどさまざまな所と関わりが多いです。連絡や調整もするので、板挟みになって面倒くさいと感じることもあります。 - 新しい医療知識がつきにくい
勉強会がある職場もありますが、病院と比べると最新の医療や知識に関わりにくいです。 - 地域によっては運転免許書が必要
地域によってですが、自動車で移動する場合には運転免許書が必要です。
看護師経験が浅い場合は、訪問看護ステーションへの転職は少し難しい
新卒や看護師経験1年未満など、看護師経験が浅い場合は訪問看護ステーションへの転職は少し難しいです。
訪問先に一人で行くため、どうしても自分一人で判断しなければいけない場面が多いです。
教育体制が整っていない職場では、即戦力を求められてしまいます。
その場合には、求人情報を確認すると『臨床経験3年以上』とか書いてあります。
しかし、最近では新卒であっても積極的に採用している場所が増えてきています。
教育体制が整っている職場では、最初の頃は先輩と一緒に訪問して教えてくれます。
友人Y.M.の職場では、新卒で働く人もいると言っていました。
訪問看護ステーションへの転職が向いている看護師
訪問看護ステーションへの転職が向いている看護師
- プライベートを大切にしたい人(土日祝日休みにしたい人)
- 夜勤は嫌だけど給料をあまり下げたくない人
- 生活に寄り添った看護をしたい人
- 室外の空気を吸って働きたい人
- 一人で過ごす時間も欲しい人
- 訪問看護のキャリアを積みたい人
訪問看護師は、自分一人で考えたり判断したりしなければいけない事が多いので難しいと感じることもあると思います。
しかし、その分利用者さんに頼られることも多くて、やりがいを持って看護をしている人が多いです。
休日も固定休だし給料も悪くありません、プライベート・給料・やりがいなど様々な面から見てもバランスが良い職場だと思います。プライベートも仕事も両方楽しみたい人には訪問看護師はオススメです。
訪問看護への転職を考えている人は、職場探しを頑張りましょう。経営がうまくいっている所と、潰れかけているような経営がうまくいっていない所の差がある印象です。
職場によってはブラック企業にもホワイト企業にもなるので、求人情報を比較したりホームページの情報も見ておきましょう。できれば、実際に働いている人の情報を集めたり、転職サイトの人に離職率を確認したりして情報収集をしっかり行うと良いです。
まとめ|訪問看護師はプライベート・給料・やりがいのバランスが良い
訪問看護で働くのは、プライベート・給料・やりがいがバランス良く欲しい人に向いています。
訪問看護ステーション以外の就職先も比較したい人や、看護師の転職先の選び方を知りたい人は下記の記事を参考にしてください。